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アベノミクスでも長期金利は上がらず・・・これ如何に?

ご存じのように、安倍政権のインフレターゲットが好感されて、株高&円安が進んでいるわけだが、国債まで買われている事は、余り知られていない。マーケットは、安倍総理や(日銀総裁に決定した)黒田東彦氏の「脱デフレ」手腕に、未だ疑問符を持っているという事だろうか。

本来、本当にインフレターゲットが行われれば、物価は上昇するだけでなく、国債は売られる。すると、長期金利(10年物国債の利回り)は上昇するはずなのだ。しかし、マーケットは反応していない。それどころか、黒田新総裁の誕生が濃厚となった2月辺りから、逆に長期金利は下落=国債が買われているのだ。
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出典:Trading Economics

正直、この動きはよく分からない。株式と債券が共に買われ続ける事は、通常は考えられない。今後、株か国債か、どちらかが崩壊して値下がりし始める事が予想される。まあ常識的に考えりゃ、国債が下がり始めるはずだが・・・。

ちなみに、公的年金を運用するGPIFは、昨年10~12月期の運用利回りがプラス4.83%だったと公表している。「日本は上昇、外国株&債券も円安で上昇、でも日本国債は(何故か)下落せず」という好都合な相場だったからだ。何せGPIFの運用は、67%が日本国債という偏向っぷりだ。長期金利が上昇すれば、年金運用に大きな悪影響が出る事は避けられないだろう。

某有名Blogでは「GPIFの赤字ばかり報道せず、黒字を出した時もちゃんと評価すべし」みたいな事を書いている。確かにマスゴミの偏向報道は問題だが、上記で説明したように、今回のGPIFの黒字は手放して喜べるものではない訳だ。よって、自分は今回の結果を、ことさら強調して報道するのも如何なものかと思う。GPIFは官僚の出先機関ゆえ、下手に彼らを持ち上げると、調子に乗って悪さをしかねないからねぇ。

しかし日本の財政ってのは、ほんと八方塞がりだわな。インフレ&円安になれば、株は上がるけど国債で損が出る。でも円高が続けば、税収は増えずに財政破綻が迫り来る。どっちに転んでも、大きな損失を被るという未来しか待ち受けていない。

日銀や財務官僚が、財政問題を先送りにし続けてきたのは、彼らの立場からは合理的な行動だ。とりあえず自分の在任時には「風船が爆発する」事を避けたい、だから先送りし続けてきた訳だ(無論、国民からすりゃあ許すまじき行為だけど)。

誰かが泥を被り、風船が膨らみきってから爆発する「最悪の事態」を避けるよう、ソフトランディング政策を取らねばならない。安倍&黒田タッグが、貧乏くじ覚悟で問題解決に挑んでくれる事を期待したい。
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テーマ : お金の勉強

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人生の紆余曲折を歴て、市場の暴落とファンダメンタルインデックスを愛するようになった、希有な個人投資家。海外投資データバンク管理人。
詳しくはプロフィールページにまとめています。

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